いしかわの漁業

刺網

県下一円で行われているポピュラーな漁法です

刺網は、一般的には、魚が通過する進路をさえぎるように帯状の網を張って、魚を網目に刺したり、絡ませたりして獲る漁法で、県内各地で行われています。刺網には、アンカーなどによって網が移動しないように固定して行う「固定式刺網」、固定せずに網を流して行う「流網」、魚群を包囲して網に刺したり絡ませる「まき刺網」、海底に仕掛けた網を漁船で引き回して行う「こぎ刺網」などがあります。また、固定式刺網には、水面近くの上層や、中層に仕掛ける「浮き刺網」と、海底近くに仕掛ける「底刺網」とがあります。

刺網イラスト
定置網周年

刺網で獲れる主な魚介類

石川県の刺網は、多種多様な魚介類が獲れますが、主なものとしては、たい類、ぶり類、めばる類、マダラ、マアジ、ヒラメ、かれい類、あまだい類といった魚のほか、たこやサザエなども漁獲されます。

たら刺し網漁

たら刺し網漁

たら刺網漁は、県内では輪島市沖合や珠洲市、能登町から七尾市に至るまでの富山湾側の水深約200~500mの海域で盛んに行われています。

12~2月の寒い冬の時期には、底刺網によるマダラが市場に沢山並びます。

冬のマダラはオスでは白子(しらこ=精巣)が、メスでは真子(まこ=卵巣)が大きくなり、特にオスの白子は高値で取り引きされます。

マダラは、身はもちろんのこと、白子や真子、肝、胃袋など、捨てるところがないとも言われ、タラ鍋はもちろん、昆布〆めやムニエル、白子のポン酢あえや天ぷらなど、無駄もなく、美味しく食べられます。刺身に、醤油とみりんで炒った真子をまぶした「たらの子付け」は、石川の郷土料理です。

あまだいこぎ刺網漁

あまだいこぎ刺網漁

あまだい類(主にアカアマダイ)を狙う「こぎ刺網漁」は、県内では加賀市から珠洲市に至るまでの外浦沿岸の砂泥海域(水深50~130m)で行われています。

周年操業されていますが、特に6~9月の夏季にたくさん水揚げされます。

日の出とともに網を入れ、砂泥海域に巣穴を掘って隠れているアカアマダイが巣穴から出てきたところを網で絡めとります。

特に漁獲量の多いのが輪島市で、石川県漁協輪島支所に所属する30隻余りが操業しています。

輪島アマダイ

輪島支所は、上品な白身の高級魚であるアカアマダイを「輪島ブランド5」の1つとしてPRしています。