ノロゲンゲ
- プロフィール -
ノロゲンゲは、全身がぬめりのあるゼラチン質に覆われています。体がとても柔らかく、海底近くを体をくねらせノロノロ泳ぐことから、「ノロゲンゲ」と呼ばれます。
石川県では甘エビ等を獲る底びき網に混じって漁獲されます。体長は30センチ前後、色は薄いピンク色で、背びれや尻ビレは尾ビレにつながっています。地方名では、「ゲンゲ」という呼び方も知られ、この魚が甘エビ等に混じって獲られても、捨てられるほどの価値しかなかったことから、「下魚(げぎょ)」がなまってゲンゲになったと言われています。
近年は「幻魚」と書いてゲンゲと読むこともあるようです。
- メモ -
鮮度が落ちると美味しくなくなるため、かつては水揚げされる地域以外では見かけない魚でした。しかし、近年、保存技術等が発達して流通量が増え、全国的に知られるようになりつつあります。
脂がのって水分を多く含む白身は溶けそうなほど柔らかく、あっさりとして少し甘みがあります。料理も至って簡単。ぶつ切りにして吸物や鍋物、煮物に使います。とても美味しい出汁がとれる上、ジュンサイのようなぬるっとした独特の食感を楽しめます。また、ゼラチン質の皮には100g中7g程度のコラーゲンを含んでいるため機能性の面からも注目されています。その他、カラカラに干し上げた干物は酒の肴には最適ですし、唐揚げや天ぷら、味噌漬けでも味わう事ができます。
レシピ
ノロゲンゲの身は水分が非常に多いためにとても柔らかく、またエネルギーを作るのに必要な脂質も多く含まれていています。体を覆うヌルヌルした皮膜にはコラーゲンが含まれ、煮物や鍋など加熱調理するとゼラチンに変性するため、つるんとした独特の食感になります。
ゲンゲの煮付け
プリプリしてとろける食感を楽しむ
材料(4人分)
- ゲンゲ・・・・・・・・・・・・・・4尾
- A:煮汁
- しょうゆ・・・・・・・大匙5
- みりん・・・・・・・・大匙2
- 砂糖・・・・・・・・・大匙3
- だし汁・・・・・・・・1と1/2カップ
- 一味または七味、刻みねぎなど
作り方
- ゲンゲの頭と内臓をとり、洗って4つに切る。
- 浅鍋にAを入れて煮立ったらゲンゲを入れる。
- 仕上げに一味又は七味、刻みねぎを散らして火を止める
ゲンゲの天ぷら
外はサクサク、中はふんわり!
材料(4人分)
- ゲンゲ・・・・・・・・・・・・・・4尾
- 揚げ油
- A:あわせ粉
- 小麦粉・・・・・・・10g
- 片栗粉・・・・・・・10g
作り方
- ゲンゲは頭と内臓をとり、3つほどに切って表面のぬめりをとる。
- 1の水気をふき取り、合わせ粉をつける。
- 170度位の油でカラリと揚げる。
ポイント
2度揚げすることで外はカラッと、中はふわっとした食べ心地を楽しめます。
ゲンゲの吸い物
つるんとした食べ心地をどうぞ
材料(4人分)
- ゲンゲ・・・・・・・・・・・・・・2尾
- 水・・・・・・・・・・・・・・・・4カップ
- 昆布(15cm)・・・・・・・・・・・・1枚
- 薄口しょうゆ・・・・・・・・・・・小匙1/2
- 三ッ葉・・・・・・・・・・・・・・適量
- 酒・・・・・・・・・・・・・・・・40cc
- 塩・・・・・・・・・・・・・・・・適量
作り方
- 鍋に水を昆布を入れて約30分おく。
- ゲンゲの頭と内臓をとり、洗って4つに切る。
- 2をザルに入れ、湯をまわしかけてから、冷水にくぐらせ水を切る。
- 1に酒を入れ沸騰させる。沸騰直前に昆布を取り出し3を入れアクを取りながら5~6分火を通す。
- 塩と薄口しょうゆで味を整え、切った三ッ葉を散らして出来あがり。
ポイント
三ッ葉の他に柚子も美味しいです。